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IBUKI通信[創刊号]より情報をお届けいたします。2015.04.01

創刊のご挨拶

平素はライソゾーム病の有料パイロットスタディに特別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。お陰さまで、平成26年7月に検査を開始し、現在では42分娩取扱い施設様と契約を締結している状況でございます。本研究は、特定非営利法人IBUKIが厚生労働省(研究班)の協力を得ながら実施していますが、測定に際しては、一般社団法人日本小児先進治療協議会(熊本大学病院小児科内)や一般財団法人化学及血清療法研究所に協力いただき、また、血液ろ紙の使用では福岡県及び福岡市のご了解をいただいておりますので、赤ちゃんの採血負担は生じません。
次代を担う子どもたちの健やかな成長を願いつつ、検査状況のご報告をさせて頂きます。

NPO法人IBUKI理事長 廣瀨伸一(福岡大学医学部小児科 主任教授)

疑い患児では
ない

ファブリー病とポンぺ病のスクリーニング検査は、ろ紙血液中の酵素活性を測定する方法により行われます。患児では、これらの酵素の遺伝子に変異があり酵素活性が低値を示しますが、正常児でも稀に低値を示す例があります。要精密児=患児ではありません。要精密児については、精密検査を行って診断を確定します。

検査を希望される施設さまは、ご連絡を!

パイロットスタディを開始

福岡県産婦人科医会福岡ブロック会会長の長野英嗣先生にご支援いただき、2014年7月に福岡市域にてパイロットスタディを開始しました。開始から7箇月間で、7468名の新生児を検査し、ファブリー病疑い5名、ポンぺ病疑い8名を検出し、福岡大学病院小児科や九州大学病院小児科にて、1名がファブリー病、3名が異常なしと診断され、9名が精査中です。また、福岡県産婦人科医科会筑豊ブロック会長の有馬昭夫先生にもご支援頂き、2015年2月~筑豊地域にても段階的に検査が開始されました。ファブリー病とポンぺ病は、ライソゾーム病の一つで、難病に指定されている極めて稀な疾患ですが、早期発見、早期治療により病気の進行を遅らせ、QOL(生活の質)の向上が可能です。

福岡でのライソゾーム病検査状況

福岡県内42施設で実施中!

精密検査

ファブリー病

精密医療機関にて、白血球と血漿中のαガラクトシダーゼ活性を測定します。さらに皮膚より調整した繊維芽細胞のαガラクトシダーゼ活性を測定し、その低下を証明します。通常、患児は正常児の10%以下の活性です。尿中のグロボトリアオシルセラミド(GL-3)を定性、定量することによっても診断可能です。ファブリー病の原因遺伝子であるαガラクトシダーゼ遺伝子は、X染色体上にあります。
従ってX染色体を1本しか持たない男児の場合、診断は比較的容易です。
一方、X染色体を2つ持つ女児の場合、通常、対立遺伝子の一方は正常(「ヘテロ接合」と言う)なので“酵素活性は正常”の症例も多くあり、最終的には遺伝子検査を行います。

ポンぺ病

精密医療機関にて、血液検査(高CK,軽度肝機能障害、血清BNP高値)と心エコー(心筋壁の肥厚)、心電図(高いP波、短いRP間隔、QRS高電位差)など心筋症の検査を行います。確定診断は、リンパ球又は皮膚繊維芽細胞での酸性αグルコシダーゼ活性の低下、遺伝子検査及び筋生検でグリコーゲンの蓄積を調べることにより行います。

※検査に係る費用等の詳細は、かかりつけの産科医療機関にお尋ねください。